伝統と実績のお灸
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あなたは鍼灸治療を受けたことがありますか?
世間的には受けたことがない人の方が多いと思われます。
そういう方にお会いするたびに、手軽に使えない鍼はともかく、お灸は段々となじみが薄くなってきているなぁとしみじみ思います。
昔は自分でお灸をすえて治療した人も多く、当時まだ治療法が確立されていなかった結核をお灸で治したという話は割とみかけます。
お灸の方が鍼よりも一般的だったことを想像させるのが、慣用句やことわざなどに「灸」を使ったものがあるということです。
「お灸をすえる」が有名ですね。
他にも、
「雪駄の裏に灸」(長居する客を早く帰らせるまじない)
「遠くの火事より背中の灸」(自分に関係のない大事よりも、小さなことでもわが身にふりかかることは痛切に感じられるというたとえ)
なんて言葉もあります。
百人一首にも「灸」に関係する和歌があります。
藤原実方朝臣の歌で、
かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを
(こんなに恋い慕っているのですが、
(貴方に言うことができません。
(伊吹山のさしも草のお灸ではないですが、
(この燃えるような私の心など、
(貴方はよもやご存じないでしょうねぇ。
恋い焦がれる気持ちを燃えるもぐさに例えたなんとも平安貴族らしい一首です。
「言われてみれば、そんな歌もあったな」と思う方もおられるのではないでしょうか。
このように言葉からもお灸の痕跡が見てとれます。
百人一首の藤原実方朝臣は998年に亡くなった人だそうなので、実に1000年以上前からお灸は治療手段として使わていることになります。
もちろん今と昔ではやり方が変わってきていますが、お灸は古来より健康管理の強い味方だったわけですね。
実際、痛みにも有効ですし、お腹の不調に向いたお灸もあります。
悠久の歴史の中で受け継がれてきたお灸、あなたも受けてみませんか。